ドリームマネージャーという本を読みました。
離職者に悩む架空の清掃会社の話しです。
この会社は離職率が400%を超えている、社員のモチベーションが低い会社であるという設定です。
社員の離職率を下げるための取り組みをストーリー仕立てで書いてあります。
とにかく離職率を下げないと会社の存続に関わる事態になっています。
「どうしたら離職率を下げることができるのだろうか。」
経営陣は頭をひねって色々と考えを出し合います。
色々と出し合った結果、離職率を下げるためには社員満足度を上げなくてはならないという結論になりました。
「社員の不満足は社員に聞いてみよう」
という事で社内アンケートをとる事にしました。
思ってもみなかった結果に経営陣は驚きます。
社内アンケートの結果
経営陣の予想と社員の不満はまったく別のところにありました。
経営陣は社員はいつでも給料に不満があると思っているものです。
社員は社員で実は給料以上に改善して欲しい事があったのです。
経営陣の思惑は見事には外れました。
実際に社員アンケートをとってみたらなんと「通勤手段の改善」だったのです。
経営陣は以外な結果に驚きました。
これは社内だけの話に限らない
経営をして商品・サービスをよりたくさん売るためにはお客様満足をあげなくてはならない。
どうやったらお客様満足をあげることができるのだろうか。
経営(社外)においてもお客様満足を上げるためにはお客様に聞くべきなのである。
「うちのどこを改善すればいいですか?」
話しが逸れましたが勉強になります。
そして行き着いた
最初は、通勤の足の充実をしました。
その後、さらに社員満足をあげようと経営陣は考えます。
そして経営陣は、社員が思い描いている「理想の自分」と「現実の自分」のギャップを埋めてやるのがいいのではないか。
社員、一人一人がそれぞれなりたい自分を持っているはずである。
それぞれの社員の「夢」を聞いて、共有して現実とする取り組みを会社がしたら社員満足が上がるに違いない。
このようなことを考え、会社が社員の夢を叶える後押しをする体制を整えることを決めて取り組みます。
結果
社員は小さな夢から大きな夢まで、様々な夢を叶えていきます。
その結果、離職率は下がり営業利益は上がりめでたしめでたし。
ざっくりいうとこんなストーリーの本でした。
ストーリーはいいとして気づきがいくつかあります。
社員満足は社員に聞け
そりゃそうです。
真実はいつでもシンプルなものです。
なんで気がつかないのでしょうか。
経営者としてとても勉強になります。
実際、わたしも社員満足をあげるためには、労働時間を減らして、給料をあげるのが最善で唯一の方法だと思っていました。
それしかないと思い込んでいました。
この本では「ドリームマネージャー」という社員の夢をサポートする部署を人を雇い入れて実際に作りました。
わたしの会社ではそこまで出来ませんが、なにか出来ないか。
それこそ社員と相談したいと思いました。
人間扱いする
わたしたちは、人間が人間であることを忘れているんじゃないのかと思うのです。
P.41より引用
この文書にハッとさせられました。
もちろん社員のことは大切な仲間だとわたしは思っています。
と言いながら、どこかで人間扱いしていないかもしれないと思ってしまいました。
社員を社員扱いして人間としての欲求は自分でどうにかしてよ。
会社は個人の夢は個人でなんとかすべきである。
そんな風に思っていることに気がついてしまいました。
最も大切なことです。
社員は人間で、社員を人間扱いする。
そして更に気がついてしまいました。
わたしは、自分すら人間扱いしていなかったことを。
社長なんだからこうすべきである。
社長らしい態度や行動をすべきである。
社長なんだから、社長なんだからと、、。
自分の人間としての欲求を完全に忘れていました。
人間としてのわたしが、社長をやっているのではなく、社長という人格に飲み込まれていたのです。
まとめ
ハッキリといって「夢」とか「ワクワク」とか「ドキドキ」とか苦手です。
いや苦手でした。
もちろんいまでも苦手です。
なぜに苦手なのかはわかりました。
自分を人間扱いしていなかったからです。
先ほども書きましたが、自分で自分を人間ではなく「社長」という人格で捉えていました。
社長という人格で捉えていたら人間としての欲求が出ようがありません。
自らで蓋をしているようなものです。
この本に書いてあることは是非とも取り組むべきです。
社員もまた、自分のことを人間扱いしていないかもしれません。
働くということは手段であって目的ではないのです。
人間が生きるということはお金を稼ぐだけではないのです。
この角度から社内改革を進めていきたいと思った一冊でした。
海と月社
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