【一目でわかる】「粗利」が実際に会社に残るお金〜数字の苦手な社長でもお金の流れを理解して利益が増える経営ができる「お金のブロックパズル」

お金のブロックパズル解説シリーズ第4弾。

今回は粗利についてお話ししていきます。

その前に前回までの復習をザックリとしていきましょう。

お金のブロックバズるというのは、会社の収支構造が一目で俯瞰して見れる図です。

この図をみれば数字が苦手な社長さんでも会社のお金が一目でわかり、利益を2倍、3倍に増やすヒントが得られるという優れもの。

しかも、ビジュアルで見れるので直感的に理解することが出来るのです。

だから社員さんとも共有しやすい。

会社の数字を要素としてブロックに置き換えて考えているので、人件費は?経費は?どのくらい使うと、どのくらいの売上が必要か、などがパズルのようにシュミレーションできるのが特徴です。

他にもたくさん使い方はありますが、ざっと説明するとこんな感じです。

過去の記事はこちら。

粗利と粗利率

では早速、粗利についてお話ししていきましょう。

粗利は売上から変動費を引いて残った部分が粗利になります。

損益計算書にある、「売上総利益」と書かれている部分です。

お金のブロックパズルで表すと緑色に塗られたところです。

繰り返しになりますが、粗利は売上から変動費を引いたものです。

変動費は、商品の仕入れとか外注費など売上に連動して変動しますが、必ず社外に出て行ってしまうお金です。

ですから「粗利」が会社に残り実際に使える利益となります。

粗利から人件費や家賃、水道光熱費などを支払うので経営上とても大切な利益です。

そして売上に対して粗利が占める割合を粗利率といいます。

計算式にすると、(「粗利」÷「売上」)×100ですね。

ですから上の図でいいますと、(80(粗利)÷100(売上))×100で80%です。

粗利率は大切な数字ですので、是非覚えておきましょう。

粗利率は業種によって違う

粗利率は業種によって違います。

ここで代表的な5業種の粗利率を紹介します。

卸売業

卸売業は、メーカーと小売業をつなぐ役割を担って、問屋さんとも言いますね。

商品をメーカーから大量に仕入れて、小売業者に必要な分だけを卸すという形態です。

この業種の場合、あまり粗利率は高くなく約15%です。

小売業

小売業は、卸売業から仕入いれた商品を一般消費者に向けて販売します。

ですから卸売業から仕入れた品物を、一般消費者が買いやすいように店頭に並べ、ポップを書きなど一手間かけます。

ですから、卸売業より粗利率は高くて約30%です。

製造業

製造業は素材を仕入れ、仕入れた素材を切ったり張ったり磨いたり色塗ったり組み立てたりと、様々な手間をかけていきます。

手間がたくさんかかっているので、その分経費もたくさんかかっています。

ですから粗利率は卸売業、小売業より高くて約50%です。

飲食業

飲食業は更に粗利率が高くて約70%になります。

飲食業は食材を仕入れ、それを加工して商品にします。

その商品を届けるために、店を作り、場を整えたりするなど、製造業とサービス業を混ぜたようななります。

ですから粗利率がいままで紹介した業種より高めになってきます。

サービス業

最後はサービス業です。

サービス業は、お客さんの「〜したい」「〜になりたい」などの要望に専門的な技術や知識などで応える仕事です。

ですから現代では広くサービス業が浸透しています。

ちなみに接客業は、サービス業の一部です。

ですから美容院、歯医者さんなどはサービス業にあたります。

これらの職業は仕入れた商品を販売するというより、自分が持っている専門的な技術を提供するので、粗利は約80%となります。

このように、業種にによって粗利率は変わっていきますが、粗利率が変わる理由としては、商品を販売するのに、どのくらい人件費やその他の経費が掛かっているかで変わってきます。

ですから、小売屋さんでコーラを買うと100円なのに、高級ホテルにいくと1,000円になり得るのです。

自社の業種と業界平均と比べてみていかがでしょうか。

平均より大幅に下回っている場合などは、何か課題が隠されいるかもしれません。

自社の粗利率を調べてみてはいかがでしょうか。

粗利とは付加価値である

粗利というのは「付加価値」という側面を持っています。

例えば、飲食店を例にしてみると。

肉や野菜、魚、お酒などを仕入れてきて、それらを食べれるように加工(料理)するためには人の手間がかかります。

そして加工(料理)した物を、お客さまに出すための場所や雰囲気、手間も必要と様々な経費が積み重なっていきます。

このように価値を付加していきます。

ですから、同じ飲食店でも、立ち飲み屋と高級レストランとでは価格が違うのは、このような理由から粗利率も変わってきます。

同じ料理でも、立ち飲み屋さんの手間のかけ方と、高級レストランでの手間のかけ方が違いますよね。

ただ気をつけたいのは、どちらが正解という訳ではありません。

どちらも正解です。

「どのような商売をしたいか」

経営者の性格や考え方で、商売の仕方が違うというだけです。

粗利率と粗利額

粗利率は高い方が、会社にお金がたくさん残るので良いですよね。

ここで「粗利率」「粗利額」の関係についても触れておきたいと思います。

わたしはキャッシュフローコーチをやりながら、飲食店の経営をしていますが、その現場で実際にあった事例です。

粗利率(原価率)を気にするあまり、「粗利額」という実際に残る利益(お金)のことまで考えが至らなかった事があります。

粗利率ばかり気にするあまり利益が残らないという事態におちいったのです。

どういう事かといいますと、粗利率が高い(原価率が低い)ということばかり目がいってしまい、「率」は良くても「粗利額」が低い商品(売価が低い)ばかりになってしまいました。

(「率」が良い商品が必ずしも「額」が低い商品とは言えません)

売価が低い商品をいくら販売しても、「率」はよくなっても「額」が上がりません。

図にするとこうなります。

利益が無くなってしまっています。

「率」がいくら良くても、「額」(実際の現金)がなくては、給料や家賃、水道光熱費などを支払って終わりで、利益が残りません。

幸いうちの店の場合は、お客様数が多かったので給料や家賃などをまかなえるだけの「額」を稼ぐ事が出来ていましたが、販売数が減ってしまったとたん赤字に転落してしまいます。

逆に「率」は悪くても「額」が高い場合、同じ販売数でも利益が残っています。

必要な利益を得るための手段として、繰り返しになりますが何が正解かは、それぞれの経営者や組織の考え方しだいです。

粗利は高いが、売価が低い商品で客数を呼ぶという考え方もあれば、粗利は低いが売価は高い商品で勝負するというのもありです。

もちろんその他にも、様々な組み合わせが考えられます。

ですから

「どういうやり方が自分達に一番合っているのか」

それを見つけ出し、利益を出すためのシュミレーションをするためにも、お金をブロックパズルを使い、会社のお金の流れを知るのをオススメします。

お金の流れが一目でわかる! 超★ドンブリ経営のすすめ―――社長はこの図を描くだけでいい!

師匠の和仁達也さんがお金のブロックパズルについて書いた本です。

こちらにも詳しく書かれています。

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    この記事を書いた人

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    春山 充

    春山充
    “二代目、三代目社長のお悩み解決スペシャリスト”
    ・社員との関係が上手くいかない・先代と意見が合わない・財務の事がわからない・自分のやっている事に自信が持てない・そもそも経営していても楽しくない・誰かに相談したいけど誰もいない
    全部わたしが20年間後継者として悩み、困ってきた事です。それらを解決する突破口は「やり方」に問題があるのではなく、まずは「あり方」を整える事でした。同じようなお悩みをもつ後継者社長さん、ご興味があれば是非ともお問い合わせください。まずはお話を伺います。

    二代目、三代目社長のお悩み解決スペシャリスト/バイカー/ソロキャンパー/ビリーフリセット協会®︎認定カウンセラー/株式会社はるやま代表取締役/1977年創業錦糸町ろばた焼き海賊経営

    なお発言はわたし個人の見解であり、特定の団体を代表するものではなく、また、特定の個人や団体を批判・誹謗中傷するものでもありません。