『医者が教える食事術 最強の教科書』を読んだ。
著者は、糖尿病専門医で医学博士、20万人以上の患者を診た実績があるお医者さんある。
人は生きるために、糖質を摂取するように出来ている。
食料が少ない、太古の昔にできた人間の仕組みである。
自然界にある糖質はとても貴重であるので、糖質を蓄える体のシステムを何十万年もかけて構築したのである。
ここ何百年の環境変化で、糖質がいつでも手に入る環境になり、人は糖質を摂りすぎて健康を害している。
健康管理は、糖質を管理することである。
すなわち「血統値」を管理することが大切であると書いている。
血糖値を管理することで、心と体の健康が保てるという。
どういう事なのだろうか。
内容を紹介してみよう。
『医者が教える食事術 最強の教科書』牧田善二著〜砂糖って怖いと思った一冊【書評】
人が太るシステム
人は口から糖質を摂取すると、消化酵素の力で糖質をブドウ糖と果糖に分解され、吸収されて血液中に放出される。
この時に糖質を摂りすぎると、血糖値があがりすぎてしまうので膵臓から「インスリン」が分泌される。
インスリンは、ブドウ糖をグリコーゲンに変えて、肝臓や筋肉の細胞に取り込む。
これによって、血糖値があがり過ぎないようにしているのである。
処理能力以上にグリコーゲンが残っていると、中性脂肪に形を変えて脂肪細胞に取り込まれる。
これが太るメカニズムである。
糖質が貴重であった時代に構築した、糖質を積極的に取り込むシステムなのだそうだ。
肥満とカロリーは関係ないそうである。
なぜに痩せない
なんらかの事情で、食事がとれなくなった場合に、まず肝臓・筋肉の細胞にあるグリコーゲンを使いエネルギーにする。
その次に、脂肪細胞にある中性脂肪がエネルギーとして使われる。
なぜに後回しにするのかというと、脂肪の方がグリコーゲンに比べて倍以上のエネルギーを放出できるのだそうだ。
エネルギー効率がいい脂肪は、徹底して溜め込んでしまうのである。
糖質量を制限する
肥満は万病の元である。
健康を管理する上で、体重を管理するのはとても大切なことになってくる。
体重を管理する=糖質を管理する
という事であるといえる。
1日の糖質摂取量を60g以下に押せえると確実に痩せる。
体重を維持するためには、男性で120g、女性で110g以下にするのが基準だそうだ。
主食は糖質がいっぱい
ごはん一膳で55g、カツ丼で86g、ざるそばで50gと主食は糖質がたくさん含まれている。
ざるそばなどヘルシーなイメージであるが、糖質の観点からみるとあまりヘルシーとは言えない。
現代人の食生活は、知らず知らずのうちに糖質をとってしまっているのである。
ジュース・缶コーヒーなどは最悪
ごはんやパンを食べると、緩やかに血糖値が上がっていき、緩やかに下がっていく。
しかし、液体の糖質を口にすると「血糖値スパイク」という急激に血糖値があがる現象がおこる。
血糖値が一気に上昇すると、セロトニンなどの脳内物質が出て「至福点」というハイな気分になる。
一気に上がると一気に下がって、低血糖となり調子が悪くなる。
調子が悪くなるので、ハイになりたくて砂糖を欲する。
これを繰り返して「糖質中毒」という脳の機能がおかしくなるという深刻な状態になってしまう。
膵臓にインスリンを出せ!という指令がおかしくなってしまうようになる。
「反応性低血糖」という状態になる、気がつかないうちに低血糖になっているのである。
疲れやすい、眠気、やる気が起きないなど多岐にわたる症状がでるという。
食事を見直してみた
この本を読んで、食事を見直してみることにした。
ごはんなどの炭水化物、清涼飲料水などはもともと口にしていなかったが、積極的に血糖値が変化しないように意識するようにした。
血糖値をさげる食品として紹介されていた、オリーブオイルをとる。
野菜→タンパク質→糖質の順番でたべる。
食事の後は、血糖値をさげるために軽い運動をする。
などである。
うれしいのは、飲酒は悪くないと紹介されていること。
ビール、日本酒、紹興酒などは糖質が多いから気をつける。
しかし、辛口の白ワインは血糖値を下げるということである。
積極的に、ワインを飲もう!
「FreeStyleリブレ」という血糖値を計測する機械が紹介されていた。
これを使うと2週間分の血糖値の変化が記録できるそうだ。
これは興味津々。
ぜひとも購入して血糖値を計ってみたいと思った。
読んだ後に
糖質怖い!
これが率直な感想である。
そんな事実はまったく知らなかったし。
健康に良さそうな、フレッシュジュースが実は健康を脅かす飲み物だった。
元気がない時に飲んでいた、エナジードリンクは、実はただ単に血糖値をあげているだけだった。
いままで体に良いと思っていたことが、実は健康に良くなかったと知って愕然とした。
「食事は最高の教養である」と書いてあったが、まさにそうだと思った。
糖質を制限して、血糖値を管理して心身ともに健やかになる!