『ジュリアン』というフランス映画を見てきました。
わたしは映画を見に行く時は、見たい映画の時間を調べて上映時間に合わせて映画館に行くというより、時間が空いたからこれから見れる映画を見ようというように映画を決めます。
時間が空くと、とりあえずヒューマントラストシネマ有楽町の上映を調べます。
今回はこの映画『ジュリアン』がちょうどいい時間に上映です。
予告をみて気になっていた映画なので見ることにしました。
予告から想像していた内容は、ジュリアンという子供のウソを中心に家族の人間関係が振り回された!みたいなミステリー要素のある、サスペンスかと思っていました。
(あらためてポスターみたら「ジュリアンは母親を守るため、必死で嘘をつく」と書いてありますねww)
そういう目線で見ていたので、わたしの中では「ジュリアンはウソつき=悪役」という図式が出来上がっていました。
ところがなんと!
結論からいうと、DV旦那から家族を守るためにウソをついているのでした。
そして内容はDV旦那の心理を描く「スリラー」でした。
いやー、びっくりです。
自分が想像した内容と全然違いました。
それはそれで楽しめましたが。
映画『ジュリアン』の紹介です。
内容
ジュリアンとの定期的な面会を求める父親。
それを拒否する母親。
そんなことを家庭裁判所で争っているシーンから始まります。
子供との面会を拒否する理由は、父親の暴力であると訴え証拠を提出する母親側。
それに反論する父親側。
わたしはこの時点では、完全に夫婦仲が悪くなった原因はジュリアンのウソが原因だと思っています。
わたしも父親なので、どちらかというと父親に同情的に見ております。
調停中の母親の態度も悪いし。
ジュリアンとの面会
裁判は父親の勝利。
ジュリアンとの週末の面会が認められます。
面会当日、ジュリアンは体調不良を訴えていきたがりません。
なんだか態度がハッキリしないなーと、この時点でもまだまだ父親よりです。
父親の実家へと
父親の実家へとジュリアンを連れて泊まりにいきます。
ん?
なんかこの父親、ジュリアンに対して態度が冷たいぞ?
このあたりから違和感を感じ始めてます。
ジュリアンを抱きしめたりして愛情表現をした後に、怒鳴りつけてみたりとなんか父親の感情の波が激しすぎます。
なんかおかしいのかこの父親?
でもまだまだ、当初のわたしの設定で見ています。
ウソつきジュリアンのせいで、こうなっているのではないかと、、。
違和感が増していく
起承転結といいますが、映画を見初めて、わたしにとっては、この段階まで「承」がずっと続いいるような状態です。
だってミステリーだと思っている訳ですから。
これからなにか「転」があって事態が変化していくものと思っています。
なのに話しが進むにつれ、父親の行動はどんどん支離滅裂になっていきエスカレートしていきます。
完全にストーカーです。
なんだなんだ??
まだまだ「転」があると思っていています。
最後の場面
ちょっとしたことで、別れた妻の男関係を疑い始めます。
別れた妻なのに、自分の「妻」であるような態度をとり始めます。
んんんん?
なんだこの男?
この男おかしい!
ようやくこの男おかしいのではないかと思い始めます。
最後は、猟銃もってドアに向かって銃をぶっ放します。
そして、ドアーを破って母親とジュリアンの住む部屋へ突入していきます。
ええええーーー!!
この男、DVじゃん!
はい、ようやく気がつきました。
なんと、DV男の精神状態を描いた「スリラー」だったのです!
いやー、びっくりしました。
ラストシーンはものすごい緊張感です。
息をするのを忘れてました。
映画『シャイニング』を思いだしていましたが、あとでネットで調べたら、シャイニングを意識したラストシーンだったようです。
怖かった、、。
映画の感想
そんなこんなありましたが面白く見れました。
引き込まれるように見てしまいしまた。
ラストシーンを迎えたときは「えっ!?これで終わりなのー!?」と思いました。
もやもやしながら、映画館を後にしながら考えてようやく気がついたのです。
DV男を恐怖を描いた映画だったということを。
そして、俳優さん達の演技が素晴らしかった。
ジュリアン役の男の子がセリフをあまり言わないのですが、表情の演技というのですか、父親に対する緊張感と感情が伝わってきました。
父親役の俳優さんも、DV男の感情の起伏や、暴力性などを目つきで見事に演じていました。
えっ!この人本物?って感じです。
まとめ
まったく内容と違う前提でラストシーンまで見てしまいました。
自分の思い込みで映画を見ていたのです。
これって現実の人間関係でもよくあることです。
始めてあった人に自分のなかで前提を作って第一印象だけでその人と接してしまう。
普段の人間関係でやっていることです。
社員に対しても色眼鏡でみてしまいます。
こいつはこーだから、あいつはあーだからと。
良い印象であれば、相手の良いところを見つけようとするでしょうし、悪い印象であれば悪いところを探そうとするでしょう。
人は自分のみたいように世界を見ている。
傾聴セミナーの時に習ったことです。
現実は自分にとっての現実なので、世界は良いところだという前提で見てればいいところだし、世界は辛く悲しいところなのだと思ってみていれば辛く悲しくなるのです。
そんなことを直接の内容とは関係ないですが、この映画で体験してきました。