フラッと本屋に行って本棚を眺めていたら、この本が目に飛び込んできたので、手にとってパラパラとページを開いてみた。
するとそこには
物事にはすべて順番があり、誰もがそれを知って実際にそのように行っています。ところが、こと読書に関しては、なぜかこの真理が忘れられがちなのです。
はじめにより引用
と書かれている。
うっ、そういえば俺は手順を追って読んでいるだろうか。買ったはいいけど難しくて読み終えていない本もたくさんあるぞ。理解出来ない自分がバカなのかと思っていたが、ひょっとしたらそうじゃないかもしれない。
ちなみに著者の齋藤孝さんは、東大を出て明治大学の教授をやっている方で、1時間に3冊の新書を読めてしまうらしい。そんな優秀な方はどんな読書の仕方をしているのだろう。そこもとっても気になる点なので買ってみた。
是非とも本の読み方を知りたい!
本を読んでも頭に入らない
はーい。ここにいます。
本を読んでも全然頭に入らない。それどころか本を読んでも内容が頭の中に残っていない。俺はバカなのかと思う事もしばしばある。
そんな悩みを見透かしたように最初からこう書いてあった。
本を読んでも、なかなか頭に入らない、、、。残念ながら、そこで読書をストップしてしまう人が少なくありません。
あるいは、けっこう本を読んでいるつもりなのに、なかなか体系的に知識を積み重ねられないという人もいるようです。
多くの場合、「正しい本を読んでいない」ということが原因です。
本には、読む順番があります。
その順番を間違えて読んでいる人が多いのです。
p16から引用
多いんだ!良かった。自分だけじゃなかったのね。
この本の核となるのは、まさにここだ!と力説しなくてもタイトル通りか。俺はこの基本を知らずにいままで読書をしていた。その結果内容が頭に入らず、「なんのために本を読んでいるのやら、、。」と思っていたから自分的には大発見なのである。しかも自分だけじゃないんだと知ってちょっと救われた。
本には読む順番がある。
でもよーく考えてみれば当たり前の話だな。基礎知識もなくいきなり難解な本を読むなんて、小学生が大学の教科書を読むようなもの。理解出来る訳がない。学校の勉強だってやさしいから初めてだんだん難しくしていく。筋トレだって最初から重いバーベルはあげられない訳で、いきなり高い負荷をかけたりしたら怪我をするのがオチである。
そりゃもともと教養が高い人は別かもしれないけど。俺なんて自慢じゃないけど、中学高校とまともに教科書すら開いた事ないんだから、いきなり無理して難しい本を読んでも言葉の意味すらわからない。本の読むのが苦痛なのは当たり前だったんだ。
とまぁそんな事が第一章には書かれていました。
第一章で、感動した文章があったので引用する。
特に難解な本は暗闇と同じです。
いきなり飛び込んでもポイントもわからず、読み進め方もわかりません。
まずは入門書などで用語の意味だとか、本の主旨、大まかな構成などを知っておく。一筋の明かりがあれば、それを目指して進んでいけるのです。
P18から引用
なんかカッコいいな。
暗い洞窟の中、明かりは全然ない。でも向こうに見える一筋の光を頼りに進んでいく。なんか知的好奇心の探究って感じじゃないですか。こういう風に読書をしていけるのが憧れだな。
新書がおすすめ
では具体的にはどんな順番で読んでいくのかというと。
齋藤孝さんは、新書をおすすめしている。
その理由は、新書は専門的な知識がない人でも読めるように作られているので、知識と教養の土台を作ることが出来るからと書かれている。新書は一種のノートであると考えていて、ポイントをまとめてあるガイド本なんだそうだ。ガイド本で各分野における本の地図を頭の中に描いてから専門書にあたりましょうとおっしゃっている。
齋藤孝さんご自身も新書をたくさん読むそうで、書店で興味のある新書を3冊買って、3色ボールペンを片手に1時間で頭の中に入れてしまうんだそうだ。大切だなと思うところは赤線、まあまあ大切だと思うところは青線、そして思ったことなどは緑で余白に書き込むのだそうだ。もうノートのように本を活用しているのだそうだ。ちなみに夏目漱石もこのように読書をしていたそうだ。
読み方の手順も紹介してくれている。
- まず目次をチェック。
- 前書きを読み、大事な章、結論を述べていると思われる章に目星をつける。
- さらにその章の中で大事な部分を重点的に読む。
一冊にかける時間は15分から20分。
大学の授業では、この方法で5分で学生に本を読む訓練をしているそうだ。5分で一冊なんて不可能かと思うけど、繰り返しているうちに出来るようになると書いている。
うーん。俺もやってみるか。5分間新書チャレンジ。
理解力、読解力をあげるにはアウトプットが大切
はい、出た!アウトプット。
もうみんな、アウトプット、アウトプット言っている。でもこれだけ色々な人がアウトプットしろー、アウトプットしろーと言うからには絶大な効果があるんだろな。でも出来ている人が少ないから、繰り返し色々な人が言っているのだろう。
作家で精神科医の樺沢紫苑先生もアウトプット大全という本を出してベストセラーだもんな。俺もアウトプット意識しようと思ってこのブログを書いている訳で、たしかにブログを書くという前提で読むと意識は違うような気がする。とういうか確実に違う。
読んだ後で相手に説明しないといけないとなると、読む段階から自然に頭がそういうモードに切り替わります。
この本のポイントは?結論は?こういうことをつねに意識しながら読むようになります。だから自然に記憶に残るのです。
逆に言えば、本をよんでもすぐに忘れてしまうのは、アウトプットを前提にしていないからと言えるでしょ。
P240から引用
アウトプットが大切と色々なところで読んだり聞いたりしたけど、この文章がとってもしっくりと自分の中に入ってくる。きっと言い回しがおれ好みなんだろう。これが相性だと思う。紙に書いて壁に貼っておきたいくらいである。
アウトプットには要約力と引用力
要約力は読み方の手順で紹介したとおり。慣れてくると目次を見て、全体をざっと見ればどこが重要なのかがわかるようになる。200ページの新書なら40〜50ページくらいである。そこをとらえて重点的に読めば、その本の骨子がおさえる事ができるそうだ。
引用力は、主に文学作品に必要。文学作品を要約しても価値を理解した事にはならず、我が身に引きつけて考えるのが必要である。どういう事かというと、本の文章なり内容を咀嚼して自分自身を通して、実感を持った自分の言葉にするのだそうだ。
要約力は理解できるが、引用力が今一つピンとこない。言っている事はわかるけど、咀嚼して自分自身を通すか、、。うーん。わかるようなわからないような。齋藤さんは、引用力が重要になる読書を「人格型の読書」と呼んでいる。偉大な人類の知性と人格をそのまま取り込む感じですね。と書いているが実感としてよくわからないので、アウトプットする時に、ここだ!と思った時に使ってみよう。
という事で最後に
ブログに書いたような、読書に対する概念的な事だけでなく、具体的にジャンル別、作家別などで3ステップで読む順番も紹介してくれている。思想・哲学ならこの本から読んで、この本行って、最後にこの本とか。ニーチェを読むなら、この本から読んで、この本を読んで、最後にこの本という具合に。実際に紹介してくれているので、俄然読む気になる。
アウトプットを意識して、3色ボールペンを片手に、新書は要約して、文学書はじっくりと噛み締めて。そのように読書をして知性と教養を高めようと思えた本であった。
インテリになっちゃうよ。
本日は以上です。