みなさん、集客というと新規集客を思い浮かべませんか。
以前のわたしは、集客というと新規集客をする事だと思っていました。
そして集客するなら、宣伝広告が必要だと思いました。
宣伝広告ならグルメサイトだろうといこ事で、サイトに登録してクーポンを発行して集客していました。
いやーうまくいかなかったですね。
クーポンを使って来店はしてくれるのですが、リピートがないのです。
なのでまたグルメサイトにお金を使って上位表示をしてもらって、クーポン発行する。
そんでクーポンを使って来店してくれるのはいいけどリピートがない。
コストをかけた上に値引きして集客しても利益が残らない。
とほほ、、この繰り返しですよ。
でもリピートがないのはお店に魅力がないからで、お客様は悪くありません。
当時のわたしはその事に気がつかなかったです。
リピーターがいないようなお店はいくら新規集客しても、ザルのように抜けていってしまいます。
新規の集客をする前にお店の魅力を磨き、リピーターを増やした方が粗利が上がり、利益も上がりますという話をしたいと思います。
その前に値引きをすると危険な話しから
なんでクーポン発行で値引きすると大変なことになるのか、数字を使って説明します。
クーポンを使って集客をすると、価格競争に巻き込まれてしまう可能性が高まります。
価格競争に巻き込まれると、利益が下がってしまいます。
下手をすると潰れてしまうかもしれません。
どうしてそんな事になるのでしょうか。
図と数字を使って説明したいと思います。
例えばこういうお店があったとします。
これは損益計算書を図にしたものです。
図のなかに入っている単位は円でも千でも万でもなんでもいいです。
P=客単価 Q=客数 V=原価 M=粗利 F=固定費 G=利益です。
このお店の現在の利益は500です。
このお店が売上を伸ばすために、集客だーといってグルメサイトに経費を使って10%値引きのクーポンを発行しました。
おめでとうございます。社長の狙いは大当たり。
お客様数が10%増えました。
値引きをしてお客様数が10%アップしたら利益はどうなるでしょうか。
すると、なななんと売上が1%下がって利益は40%減少してしまいました。
売上が下がると原価(VQ)は下がりますが、家賃などの固定費(F)は変わりません。
いやそれどころか、宣伝広告費を使った分固定費(F)が上がってしまいます。
この図の通り売上(PQ)が下がり粗利(MQ)が下がると利益をかなり圧迫してしまいます。
それではいままでの利益を確保するためには何人客数が増えればいいでしょうか。
こんな図になります。
114%以上増える必要があります。
月間に1000人来店するお店なら140人客数を増やさなくてはなりません。
25日営業として1日5.6人の増加です。
1日に5.6人増やすのってちょっと大変そうな感じがしませんか。
というか経費をかけて集客して客数が増えたのに利益は変わらないって、、。
切ないですよね。
これらの例は、実際には全部のお客様がクーポンを使ってくる訳ではないので、こんなに極端にはならないとは思いますが、あくまで考え方としてとらえて下さい。
では粗利を5%上げてみましょう。
こんな感じの図になります。
ここで大切なのはお客の粗利を上げると考えることです。
客単価を上げるではなく、お客一人あたりの粗利を上げるです。
付加価値(お客様満足)を上げるというイメージです。
よく客単価をあげるというと、もう一杯、もう一皿をすすめましょうと言う人がいますが、わたしはそれには反対です。
信頼関係が出来ていない間柄で、もう一杯をすすめられると、お客様は押し売りされたと思ってしまいます。
押し売りをさる店に行きたくなくなるものです。
お店とお客様の間に信頼関係を作り、粗利が高くてお客様満足度も上がるものを買っていただくと言う事です。
それがお店の魅力を磨くという事につながってきます。
すると、、なななんと利益が140%アップしてしまいます。
もちろんこれも計算上なので、現実はこんなにキレイにいかないです。
経費をかけて客数を増やして現場が疲弊するのと、お客様一人一人にしっかりと対応して客単価をあげるのとどちらが良いと思いますか。
わたしは断然、後者をおすすめします。
ではリピーター対策ってどんなことをやるの
うちのお店「海賊」で実際にやっていることを紹介したいと思います。
一番に効果があったのはステップアップしていく会員カードを作って、それぞれのランクで特典を付けるというものです。
8回来店するとステップアップしてゴールド会員になります。
すると原価で提供するメニューを注文する事ができるという特典があります。
これが大変に評判が良いです。
ん?それって実質値引きなんじゃないのと思われるかもしれません。
いやいや。
何度もリピートしてくれるお客様はお店を気に入ってくれたお客様です。
もはや値引き目的では来店しません。
特典はただの来店動機でしかなくて、値引きをした分以上にお金を使ってくれます。
なのでうちのお店の平均客単価は4000円くらいですが、会員だけに限れば5000円近く使ってくれている場合があります。
リピーター様はお店のファンになってくれているので、価格ではなく価値で評価して下さっているのです。
仕組みより大切なことがある
実はこんな仕組みより大切なことがあります。
それはお客様と従業員の距離を近づけるということです。
従業員とお客様の間に信頼関係を作るのです。
具体的には、お客様にきちんと挨拶をする、お帰りの際には外までお見送りをするなど、ちょっとした細かい事です。
そんな事と思うかもしれませんがとっても大切な事です。
人は自分を認めてもらうのが嬉しいのです。
逆にいえば、無視されるのが嫌なのです。
なのでお客様を十把一絡げにして、全員おなじ扱いをするとお客様は人間扱いされた気になりません。
そうすると無視をしている事と同じです。
お客様を人間扱いして、よい人間関係を作るのが大切なことです。
人間関係で社会は回っています。
本日のまとめ
売上というのは、客単価×客数で出来ています。
新規でもリピーターでも同じです。
必ずしも新しいお客様を増やさなくても売上は作れるます。
新規でもリピーターでも同じ一人です。
それならばリピーター対策をして、一度来てくれたお客様にもう一度来てもらう方が良いのではないでしょうか。
客数を増やすと従業員は疲弊して、仕事が楽しくなくなってしまうかもしれません。
それより、お客様とよい人間関係を築き上げて、お店とお客様お互いにとってよいお店にするのが一番の集客ではないでしょうか。
リピーター対策をして従業員にとっても働きやすい、お客様にとっても居心地のよいお店を目指して利益も確保してしまいましょう。
本日は以上です。