亡くなった父親の携帯電話を解約してきた。
こうして死んでしまった人間はこの世から少しずつ、痕跡が消されていく。
人は三度死ぬと言うけど、こうして現実的な作業をしていて、少しずつ人は消されていく、わたしが消しているのだなぁ、とか思った。
▲ 実にあっけなく存在が無くなっていく。
生きていた時には、決して仲が良かった訳ではない。
大きな病気をして、鬱病になったりしたのもあって事業についても密に相談もしなかった。
折角、父親が開いたお店も1店舗撤退したりもした。
本気で会社をよくしようとして、チャレンジした結果だから、後悔はしていないが父親に申し訳ない事をしたなとは少しだけ思った。
人が死んでから、もっとああしておけば良かった、こうした方が良かったなんて言うつもりはない。
死んでしまってから、そんな事言うのは卑怯な事だから。
なんて事を父親の携帯電話の解約をしながら思った。
決して感傷的になっている訳ではない。
せめてもの恩返しで、創業社長として会社の歴史に残して三度死なないようにだけはしておこう。